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第6話 ピッコロの通院
2017.5.21更新
最近、ピッコロは、精神と気管とめまいと虫歯の具合が悪いので、カエル医科大学に勤務しているブラック3900先生ところへ行くことにしました。
ブラック3900先生は、診察室にいました。
まずピッコロは、先日、沼に宝の斧(おの)を落としたけれど、お釈迦様から信じてもらえず斧を返してもらえなかったことを話しました。
そして、ブラック3900先生に言いました。
「あのー、最近、ぼくの言うことを誰も信じてくれないような気がするんですけど。」
ブラック3900先生は、冷やかな目でピッコロを見ています。そして言いました。
「フッ、そんなことないでしょう、フッ。」
ブラック3900先生は、ピッコロの言うことを信じませんでした。
次に、ピッコロは、気管が痛いことを話しました。
「あのー、ぼくはタバコを吸うと、すぐにのどが痛くなるんですけど。」
するとブラック3900先生は、言いました。
「フッ、じゃあ、タバコをやめなさい、フッ。」
その次に、ピッコロは、めまいがすることを話しました。
「あのー、ぼくは、貧血じゃないかと思うんですけど。」
するとブラック3900先生は、言いました。
「フッ、それは金欠だな、フッ。」
また、最近ピッコロは虫歯が痛みます。この痛さから逃れるため、頭を壁にぶつけていました。すると、ぶつけた時には頭の方が痛くなり、ほんの少しの間だけ虫歯の痛さから解放された幸せを感じました。しかし、頭の痛みがおさまると、また虫歯が痛くなります。
そこで、ブラック3900の先生に言いました。
「あのー、ぼくは虫歯が痛いんですけど。」
ブラック3900先生は、すぐにピッコロの虫歯を診察して言いました。
「これからオペを開始する。」
ピッコロは、びっくりしました。
ピッコロは、注射が大嫌いです。何本も注射をされて手術を受けるなんて、到底できません。
そこで、次のように言いました。
「先生は、他人が考えつかないような新薬を開発する天才薬剤師でしょう。それなら、虫歯を治すハミガキを作れるはずです。そうです、先生なら必ずできます。
まだ、薬が完成していないなら・・・、わかりました、ぼくの虫歯で臨床試験をしてください。
虫歯を治すハミガキを世界中の人たちが、一日千秋の思いで待ち望んでいます。
ぼくは、先生が地位と名誉しか興味がないことを知っています。もし、この新薬が開発されたら、世界中の人たちが先生を称賛します。先生の地位と名誉のため、新薬を開発してはどうでしょうか。」
ブラック3900先生は、何か考えているようでしたが、さっと診察室を出ると隣の研究室に行きました。そして、しばらくして戻って来ると、自分で処方したハミガキを持ってきてピッコロに言いました。
「フッ、このハミガキは虫歯が治るハミガキだ。まだ試験段階で、厚生労働省の認可を受けていないが、これを一週間使ってみなさい、フッ。
私は経過を観察したいので、一週間後にまた来なさい、フッ。」
ピッコロは、虫歯の治るハミガキを持って、自宅に帰りました。
つづく