うずらのココ 第5話 ~畑の野菜をとったよ~
ココは、今日、お母さんといっしょに家の前のネコの額(ひたい)よりもずっと小さな畑でできた野菜を収穫しました。
お母さんは、春に種を植えれば自動的に野菜ができると信じていますから、草取りをすることもなければ、肥料をやることもありません。
おかげで、とても小さい豆と小さいジャガイモを、ほんの少し収穫することができました。
それから、栄養失調のうらなりのやせた細い瓜(ウリ)と、畑のそばの木に実っている「山ぶどう」も収穫しました。
さっそくココは「山ぶどう」を食べてみました。「山ぶどう」はとてもすっぱいのですが、ココは「山ぶどう」以外のぶどうを食べたことがないので、「おいしい、おいしい。」と食べています。
そのときココは、以前にお母さんといっしょに行ったスーパーで、ぶどうが売られているのを思い出しました。そこで、お母さんに聞いてみました。
「スーパーで売っているぶどうは、粒が大きくてりっぱだったな。どうして、ここのぶどうは小さいのかな?」
するとお母さんは答えました。
「スーパーのぶどうはね、木にできるぶどうなのよ。そして何年もかかって大きくなるのよ。ほら、木が大きくなるのと同じことね。でも、ここのぶどうは、草にできるぶどうなの。草は冬になると枯れてしまうから、これ以上大きくならないのよ。」
ココはそれを聞いて、なんとなく納得しましたが、
(それじゃ、木にできるサクランボは何年もたったら、おっきーーーいサクランボになるのかな?)と思い、お母さんに質問しようとしましたが、お母さんが困ると思って質問しませんでした。ココはいつもお利口さんです。