よっしーworld

「よっしーworld」へようこそ。ここは、みなさんの暇つぶしのためのサイトです。制作者は、私こと「よっしー」です。

うずらのココ 第3話 ~買い物に行ったよ~

 

 今日は、お母さんと食べ物を買いにスーパーに行きました。お母さんは、主食の豆やジャガイモを買っています。

 店の中を歩いていると、メロンが置いてありました。瓜(ウリ)しか知らないココは不思議に思いました。瓜に似ていますが、ちょうど瓜を丸くしたような形をしています。それから、近くに行くととてもいい匂いがします。

 そこで、ココは、「あれは何?」とお母さんに聞いてみました。

  

f:id:tonymacalpine:20161024180552j:plain

 

 お母さんは、「あれはメロンっていうの。メロンは瓜(うり)みたいな味だけど、とても甘いのよ。でも、値段が高いから買えないわね。そうそう、今日はお父さんのお給料日だから、お家に帰ったら瓜を食べましょう。」と答えました。

 ココはうつむいて、「一度だけメロンを食べてみたいな。」とつぶやきました。

 

 家に帰ると、もうお父さんが帰っていて、給料をお母さんに手渡しました。お父さんの月給はとても安くて、三人で暮らしていくのは大変です。いつも質素なものを食べていて、ココにはおもちゃも買ってあげることができませんでした。

 ココは、外に落ちている「松ぼっくり」や「どんぐり」や「葉っぱ」などを使って自分でお人形さんのおもちゃを作って、ひとりで遊んでいました。

   f:id:tonymacalpine:20161106090417p:plain

  

 今日は、瓜を食べる日です。親子は、瓜をおいしそうに食べましたが、ココは、どうしてもあのメロンのことが頭から離れません。

(どうして、瓜より丸いのかな。どうして、あんなにいい匂いがするのかな。たぶん瓜より甘いのかな。一度だけメロンを食べてみたいな。)とココは思いました。

   f:id:tonymacalpine:20161106090748j:plain

 でも、家にはお金がないからメロンを買えません。しょうがないので、ココはメロンを食べているつもりになって、おいしそうに瓜を食べました。

 すると、なんだかおいしい感じがしてきて、「とてもおいしいね。」とうれしそうに言いました。お父さんとお母さんもココの喜ぶ顔を見て、とてもうれしくなりました。 

 お父さんは、いつかたくさん瓜を食べられるように、一生懸命に働こうと思いました。それから、こんなことを考えました。

(そういえばココちゃんは、まだソーダを飲んだことがなかったな。飲んだら、のどがピリピリしてびっくりするだろうな。早く飲ませてあげたいな。ココちゃんの驚く顔や喜ぶ顔が見たいな。)

 f:id:tonymacalpine:20161106090610g:plain

 

 お父さんはそう考えているうちに、もう飲ませたような気分になって、幸せな気分になりました。

 そして、スヤスヤ寝てしまいました。