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うずらのココ 第8話 ~タラバガニを食べたよ~  2016年12月22日更新しました

 年末年始で物価が高くなってから、お母さんは食材を買いにスーパーに行きました。さすが、いいお客さんです。

 そして一年間ためたお金で、なんとタラバガニを買ってきました。

 

それを見るとココは、

「わー、大きな蟹さん、大きな蟹さん。」

と大喜びです。

  

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 お母さんは、「高かったけど、ココちゃんの喜ぶ顔が見たくて、思い切って買ってきたのよ。」と言いました。

 お母さんは、収入のことを全然考えていないので、いつも思い切ったことをします。

 

 お母さんは、さっそくタラバガニをゆでることにしました。

  ゆで上がると、お父さんは、以前にクルミの固いカラをむいたときのように、石でカツンカツンとたたいて、タラバガニのカラをむいています。

 やはり、ときどき「痛い!」という声も聞こえます。

 

 そのとき、お父さんは、何やら考え事をしていました。

(うーん、蟹の足は10本だから、ココちゃんとお母さんが、3本ずつ食べても4本残るわけだな。

  10-6=4

 じゃあ、お父さんは、残りの4本のうち3本を食べて、残りの1本をココちゃんにあげることにしよう。

  4-3=1

 お父さんの心の広いところを見せるチャンスだ!

いいことを考えた!)

 

 そして、お父さんは言いました。

「ココちゃんとお母さんは、蟹さんの足を3本ずつ食べていいよ。

お父さんは、残った足を食べるから、先に食べなさいね。」

 

 ココは、「はーい。」と返事をして、お母さんといっしょに食べ始めました。

二人とも「おいしい、おいしい。」と言いながら、むしゃむしゃ食べています。

 

 二人が3本ずつ食べ終わって、ふと、お父さんが見てみると、

タラバガニの足が2本しかありません!

 

 お父さんは、「はてな?」と首をかしげました。

  

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(10から6を引いたら、残りは4本のはずだけど、2本しかない・・・。

 

 きっと、ココちゃんとお母さんは、お父さんが見ていないすきに

4本ずつ食べたんだな。

 だから、10から8を引いた2本しか残ってないんだな。

みんな食いしんぼうだな。)

 

10-8=2

 

 お父さんは、そのことを二人に言おうとしました。

 

 しかし、計算ができる自分がうれしくなったため、

 「お父さんは、算数が得意なんだよ。」

と、ちょっぴり自慢話をしました。

 

 この意味不明の話に、ココとお母さんは「はてな?」と首をかしげました。

  

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 三人は目をパチパチしてキョロキョロしています。

 ココの一家は、いつもなかよしです。

 

編集部より:ちなみにタラバガニの足は8本です。

 

 

うずらのココ 第7話 ~お星さまにお願いしたよ~  2016年12月9日 更新しました

 クリスマスが近づいてくると町はにぎやかになりますが、ココの家は静かなものです。

 

 それから、テレビもパソコンもラジオもないので、ココはクリスマスもサンタクロースのことも知りません。

 

 今日は、久しぶりにお母さんとスーパーに行きました。お母さんは、あいかわらず「大豆」と「ジャガイモ」を買っています。

 

 スーパーには、「♪シャンシャンシャーン、シャンシャンシャーン」と音楽が流れています。これは『青い山脈』じゃなくて、『ジングルベル』のようです。

 

 また、ピカピカと電気が光る大きなクリスマスツリーが置いています。

 そのとなりには、赤い服を着た白いひげのサンタクロースのおじさんの人形が立っていました。

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 ココは生まれて初めて、クリスマスツリーとサンタクロースを見ました。そこで、「あれは何?」とお母さんに聞きました。

 

 「ピカピカ光る木はね、クリスマスツリーっていうのよ。ほら、冬になると木の葉っぱがなくなって寂しくなるわよね。寂しくなったから木にお化粧をして、にぎやかにしているのよ。

 

 それから、となりの白いひげのおじさんはサンタさんっていうのよ。サンタさんはね・・・・・・、」と、ここまで言いかけて黙ってしまいました。

 

 お母さんは、お金がないからプレゼントを買えません。だから、「いい子のためのプレゼントを運んできてくれるのよ。」なんて言えません。 

 

 お母さんは、少し考えて作り話を言いました。

「サンタさんはね、空飛ぶソリに乗って世界中の子どもたちのお家に行って、子どもたちのお願いを聞いてくれるのよ。サンタさんを見たらお願いをするといいわよ。」

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 それを聞いたココは、「ココのお家にも来てくれるかな?」と言いました。

 

 お母さんは、「・・・・・・サンタさんは世界中に行かなければならないの。とっても忙しいのよ・・・・・・。

 ・・・・・・だから、えーと、う~ん、ココのお家には来れないかもしれないわね・・・・・・。」と言いました。

 

 ココは、がっかりしました。目にいっぱい涙があふれています。

 

 そこでお母さんは、また少し考えて作り話を言いました。

 「サンタさんは忙しいから行けないところもあるけれど、お星さまがキラキラ光る夜に、流れ星を見たら、お星さまにお祈りするとサンタさんに気持ちが届くんだってよ。

ココもお星さまにお祈りしてみましょうね。」

と、ごまかしました。

 

 それから毎日、ココは夜になると外に出て夜空を見ています。

 

お父さんが、「ココちゃん、外は寒いからお家にお入り。」と声をかけても、

お家の中も寒いよ。だから、う~ん、もうちょっと待って。」とか言って、なかなかお家に入ろうとしません。

 

 こうして何日か過ぎたある夜、ココが喜んでいる大きな声が聞こえました。

 「わー、流れ星だ。」

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  ココは、大きな声でお祈りしました。

 「お星さま、サンタさんに教えてね。

 いつまでも、お父さんとお母さんといっしょにいられ  ますように。」

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 そして、もう1回、もっと大きな声で、お星さまにお祈りしました。

「いつまでも、いつまでも、お父さんとお母さんといっしょにいられますように。」

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うずらのココ 第6話 ~収穫祭だよ~ 2016年11月30日 更新しました

 今日、ココたち親子は「収穫祭」をすることにしました。この日のために、ココは裏山で栗とクルミを拾いました。

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  また、ヤマイモの「いもの子」をたくさん拾ってきました。

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 それから、夜になると光るキノコも拾ってきました。お父さんは、「それはキノコの王様だから、山に返してきてね。」と言いました。

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 ココが元の場所に返すために山に行ってみると、そこはキノコの王様がたくさんいました。ココは、びっくりしました。

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 さて、お父さんは、外でクルミのカラを石で割っています。カツン、カツンという音に混じって、ときどき「痛い!」という声も聞こえます

 このようにして、お父さんは痛みに耐えながら、必死に中の実をほじくり出しています。

 

 お母さんは、台所で「いもの子」をゆでています。そしてココに言いました。

 「ヤマイモの親は土の中にできるけど、その子どもは土の上にできるのよ。おもしろいわね。

 それからね、ヤマイモは、親と子どもがいっしょにできるのよ。親と子どもがいっしょにできるなんて、不思議よね。」

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 それを聞いていたココは、びっくりして目をパチパチしてキョロキョロしました。

  

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 そして、「ニワトリが先か、卵が先か、それともヒヨコが先なのか。それが問題だ。」とつぶやきました。ココはハムレットになったような気がしました。

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ピッコロ 2017.5.23更新しました

これは、意地と頭と運の悪いオウムのお話です。

つまらない、くだらないお話です。はははっ。

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第1話 ピッコロ登場 2017.4.29更新

第2話 ピッコロの杜子春 2017.4.29更新 

第3話 ピッコロの注文の多い料理店 2017.5.3更新

第4話 ピッコロの金の斧(おの) 2017.5.3更新

第5話 ピッコロの宝島 2017.5.20更新

t第6話 ピッコロの通院 2017.5.21更新

第7話 ピッコロの通院 つづき 2017.5.23更新

 

 

 

 

 

うずらのココ 第5話 ~畑の野菜をとったよ~

 ココは、今日、お母さんといっしょに家の前のネコの額(ひたい)よりもずっと小さな畑でできた野菜を収穫しました。 

 お母さんは、春に種を植えれば自動的に野菜ができると信じていますから、草取りをすることもなければ、肥料をやることもありません。

 おかげで、とても小さい豆と小さいジャガイモを、ほんの少し収穫することができました。

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 それから、栄養失調のうらなりのやせた細い瓜(ウリ)と、畑のそばの木に実っている「山ぶどう」も収穫しました。

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 さっそくココは「山ぶどう」を食べてみました。「山ぶどう」はとてもすっぱいのですが、ココは「山ぶどう」以外のぶどうを食べたことがないので、「おいしい、おいしい。」と食べています。

 

 そのときココは、以前にお母さんといっしょに行ったスーパーで、ぶどうが売られているのを思い出しました。そこで、お母さんに聞いてみました。

「スーパーで売っているぶどうは、粒が大きくてりっぱだったな。どうして、ここのぶどうは小さいのかな?」

  

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 するとお母さんは答えました。

 「スーパーのぶどうはね、木にできるぶどうなのよ。そして何年もかかって大きくなるのよ。ほら、木が大きくなるのと同じことね。でも、ここのぶどうは、草にできるぶどうなの。草は冬になると枯れてしまうから、これ以上大きくならないのよ。」

 

 ココはそれを聞いて、なんとなく納得しましたが、

(それじゃ、木にできるサクランボは何年もたったら、おっきーーーいサクランボになるのかな?)と思い、お母さんに質問しようとしましたが、お母さんが困ると思って質問しませんでした。ココはいつもお利口さんです。

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うずらのココ 第4話 ~夏は暑いよ~

 ココの家にはクーラーどころか扇風機もありません。去年の夏に拾ったウチワが1本あるだけです。

 

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 そのウチワでパタパタあおいで、お父さんやお母さんに風を送るのがココの日課です。

 昼間は、一生懸命に料理を作っているお母さんをあおいでいます。お母さんは、豆やジャガイモをゆでているだけですが、立派な料理だと思い込んでいます。

 台所では、外から拾ってきた木の枝を「かまど」に入れ、火をつけてナベでお湯をわかしています。ただですら暑いのに、台所で火を燃やしているので室温が上がり、蒸気のせいで湿度が上がり、ものすごい暑さです。

 更に、「かまど」からモクモクと煙が出て、煙が台所に充満して、もう、お母さんの姿も見えません。それどころか、煙のせいで目が痛くなり、目を開いていられません!

 

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 そのときココは何を思ったのか、その台所をウチワで思いっきりあおぎました。すると煙が少し薄くなって、ぼんやりとお母さんの顔が見えてきましたが、家中、煙だらけになりました。

 お母さんは、目をパチパチしてキョロキョロしています。

ココは、(お父さんにそっくりだな。夫婦って似てくるんだな。でも、親子は似ない方がいいな。)と思いました。

 

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  次に、ココは、家の中に広がった熱気と煙を外に出そうとして、出入り口のトタンを開けました。すると、家の中の熱気と煙はだんだん外に出ていきました。

 

 それを見たお母さんは、「ココちゃん、偉いわねぇ。よくできました。」とほめてくれました。

 ココは得意そうに、「えへへ。」なんて照れています。

 

 こうして、家の中の熱気と煙はなくなりましたが、そのかわり、家の中にはたくさん蚊が入っていました。

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 【以下の文章は、2016年11月9日更新しました】

 夜には、お父さんが仕事から帰ってきます。お父さんは足首とヒザと腰と背中と肩と首が痛いと言っています。そのうえ、家の中はとても暑くて、お父さんはとても苦しそうです。

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  ココは、ウチワでお父さんをあおぎますが、いつもすぐに飽きて止めてしまいます。

お父さんは、「ココちゃん、もう少しだけお願い。」と言いますが、ココは言われたとおり、もう少しだけあおぎます。

 

 そのうち、お父さんは「ココちゃん、100回くらいあおいでよ。」と言いました。

ココは、「100って何?」と質問しました。

 お父さんは、「100というのは、数のことだよ。1、2と数えるとそのうち100になるよ。」と優しく教えてあげました。

 

 ココは、「いち、にい、・・・ひゃ~く。いち、にい、・・・ひゃ~く。」と言いながら、合計6回あおぎました。

 いつもは穏やかなお父さんですが、このときばかりは頭に血がのぼり、血圧と体温が上昇して、更に具合が悪くなりました。

 また、頭から湯気が出たため、部屋の湿度が少し上昇しました。

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 しかし、すぐに気を取り直して、「ココちゃんのおかげで、なんとなくほんの少しだけ涼しくなったような気がしない訳でもないような、そうでもないような感じだよ。ありがとう。」と、意味のわからないことを言いました。

 しかし、ココはギャグだと思ったのか「キャッ、キャッ、ケラケラ、ケラケラ。」と笑って大喜びです。

 

 いつもは鈍感なお父さんですが、このときばかりはうれしくなって、今度はハートが熱くなりました。

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うずらのココ 第3話 ~買い物に行ったよ~

 

 今日は、お母さんと食べ物を買いにスーパーに行きました。お母さんは、主食の豆やジャガイモを買っています。

 店の中を歩いていると、メロンが置いてありました。瓜(ウリ)しか知らないココは不思議に思いました。瓜に似ていますが、ちょうど瓜を丸くしたような形をしています。それから、近くに行くととてもいい匂いがします。

 そこで、ココは、「あれは何?」とお母さんに聞いてみました。

  

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 お母さんは、「あれはメロンっていうの。メロンは瓜(うり)みたいな味だけど、とても甘いのよ。でも、値段が高いから買えないわね。そうそう、今日はお父さんのお給料日だから、お家に帰ったら瓜を食べましょう。」と答えました。

 ココはうつむいて、「一度だけメロンを食べてみたいな。」とつぶやきました。

 

 家に帰ると、もうお父さんが帰っていて、給料をお母さんに手渡しました。お父さんの月給はとても安くて、三人で暮らしていくのは大変です。いつも質素なものを食べていて、ココにはおもちゃも買ってあげることができませんでした。

 ココは、外に落ちている「松ぼっくり」や「どんぐり」や「葉っぱ」などを使って自分でお人形さんのおもちゃを作って、ひとりで遊んでいました。

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 今日は、瓜を食べる日です。親子は、瓜をおいしそうに食べましたが、ココは、どうしてもあのメロンのことが頭から離れません。

(どうして、瓜より丸いのかな。どうして、あんなにいい匂いがするのかな。たぶん瓜より甘いのかな。一度だけメロンを食べてみたいな。)とココは思いました。

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 でも、家にはお金がないからメロンを買えません。しょうがないので、ココはメロンを食べているつもりになって、おいしそうに瓜を食べました。

 すると、なんだかおいしい感じがしてきて、「とてもおいしいね。」とうれしそうに言いました。お父さんとお母さんもココの喜ぶ顔を見て、とてもうれしくなりました。 

 お父さんは、いつかたくさん瓜を食べられるように、一生懸命に働こうと思いました。それから、こんなことを考えました。

(そういえばココちゃんは、まだソーダを飲んだことがなかったな。飲んだら、のどがピリピリしてびっくりするだろうな。早く飲ませてあげたいな。ココちゃんの驚く顔や喜ぶ顔が見たいな。)

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 お父さんはそう考えているうちに、もう飲ませたような気分になって、幸せな気分になりました。

 そして、スヤスヤ寝てしまいました。